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Documentation / Mathematica / Mathematicaブック / Mathematicaの仕組み / グラフィックスとサウンド オブジェクトの構造  /

2.10.3 グラフィックス指示子とグラフィックスオプション

グラフィックスオブジェクトを作成するには,通常,構成要素を列記したリストを与える.また,リストにグラフィックス指示子を加えておけば,指示子に続く要素をどう描画したらよいかを指示することができる.

グラフィックスオブジェクトは普通ネストしたリストの集合体として与えられる.このとき,各サブリストは描画要素を表す.グラフィックス指示子をこのような集合体に与えると,指示子を加えたリストにおいて,指示子に続くすべての要素(要素がサブリストであればその要素も)が指示子の影響を受ける.しかし,リストの外まで影響は及ばない.

先頭のサブリストにグラフィックス指示子 GrayLevelを加え,明暗度を指定しておく.

In[1]:= {{GrayLevel[0.5], Rectangle[{0, 0}, {1, 1}]},
Rectangle[{1, 1}, {2, 2}]}

Out[1]=

表示すると,最初のサブリストだけが指定明暗度で描画される.

In[2]:= Show[Graphics[ % ]]

Out[2]=

各種のグラフィックス指示子が用意されている.まず重要なのはグラフィックスの要素の描画色を指定する際に使う指示子である.モニターがモノクロ表示でも,色関連の指示子は指定できる.指定した色は,描画の最終段階でグレーの明暗度に変換される.また,逆に,モニターがカラーであっても, ColorOutput -> GrayLevelと指定しておけば白黒表示を強制することができる.

描画色の指定に使う基本機能

カラーモニターで見ると,2つの曲線は色付き表示になる.白黒モニターの場合は,灰色に表示される.

In[3]:= Plot[{BesselI[1, x], BesselI[2, x]}, {x, 0, 5},
PlotStyle ->
{{RGBColor[1, 0, 0]}, {RGBColor[0, 1, 0]}}]

Out[3]=

書式 Hue[h]を使うと1つのパラメータで色調指定ができ便利である. hで指定する色調値は 0から 1の値を取る.値の範囲は赤,黄色,緑,水色,青,紫,そして再び赤に戻る色の輪に対応している.さらに,拡張書式 Hue[h, s, b]を使えば,色調だけでなく,色の飽和度と明暗度も指定できる.飽和度 1 「原色」が得られ,0に減少していくと「あせた色」が得られる.

ほとんどの用途では,簡単な RGBColor Hueの条件を指定しておけば十分であろう.しかし,特に,正確な色指定や忠実な色の再現性が必要なカラー印刷等の用途では,より微妙な調整が必要になるかもしれない.調整法の詳細は 2.10.17を参照のこと.

RGBColor等のグラフィックス指示子は一度指定したら,その時点から,指定に続く同じリスト内の全要素に適用される.このような無差別に作用する指示子に対して,特定のグラフィックス要素だけに作用する指示子もある.

例えば, PointSize[d]がその一例である.この指示子をグラフィックスオブジェクトに適用すると,すべての Point要素が直径 dの円として描画されるようになる.直径の値はプロット領域の幅を 1としたときの相対的な割合で表す.

さらに,指示子 AbsolutePointSize[d]を使えば絶対単位で直径を指定することができる. 1ポイントはインチでプリンタの 1ポイントにほぼ等しい.

点のグラフィックス指示子

点要素のリストを作っておく.

In[4]:= Table[Point[{n, Prime[n]}], {n, 6}]

Out[4]=

各点を,プロット領域の幅の 10分の1 直径を持つ円として描かせる.

In[5]:= Show[Graphics[{PointSize[0.1], %}], PlotRange -> All]

Out[5]=

今度は,3ポイントの絶対サイズを指定 する.

In[6]:= ListPlot[Table[Prime[n], {n, 20}],
Prolog -> AbsolutePointSize[3]]

Out[6]=

線のグラフィックス指示子

太さを変えた線のリストを作る.太さを絶対値で指定する.

In[7]:= Table[
{AbsoluteThickness[n], Line[{{0, 0}, {n, 1}}]}, {n, 4}]

Out[7]=

描画してみる.

In[8]:= Show[Graphics[%]]

Out[8]=

Dashingの描画指定を行うと任意な形の破線が引ける.破線を引く基本的なやり方は短い実線区間と空の区間を交互に繰り返すことである.区間の長さを変えることで破線の形を変える.また,実線の区間と空の区間の単純パターンだけでなく,複雑な区間の組合せパターン(例えば,一点鎖線)を構成することも可能である.

一定の長さの線分をつなげて,破線を引いてみよう.

In[9]:= Show[Graphics[ {Dashing[{0.05, 0.05}],
Line[{{-1, -1}, {1, 1}}]} ]]

Out[9]=

点と破線区間を連ねて,一点鎖線を引いてみよう.

In[10]:= Show[Graphics[{Dashing[{0.01, 0.05, 0.05, 0.05}],
Line[{{-1, -1}, {1, 1}}]}]]

Out[10]=

グラフィックス指示子の使い方の1つは,グラフィックスオブジェクトの構成要素であるグラフィックスプリミティブのリストに直接挿入し局所的に適用させる使い方である.しかし,場合によっては,もっと大域的な描画指定を使いたい.例えば,特定のグラフィックス要素に指示子を適用し,その要素がどこで現れても描画指定を有効にしたい.これは,いわゆる要素の描画スタイルを設定することに相当する.次の表のグラフィックスオプションを使いスタイルを指定することができる.また,各オプ ションにはスタイルを実際に形作るグラフィックス指示子が割り当てられる.

スタイル定義・設定用のグラフィックスのオプション

複数のグラフィックス指示子で指定されたスタイルに従って曲線をプロットする.

In[11]:= Plot[BesselJ[2, x], {x, 0, 10},
PlotStyle -> {{Thickness[0.02], GrayLevel[0.5]}}]

Out[11]=

スタイルの設定例

「スタイル設定のオプション」がいくつか用意されているので,それらを使いプロットするときに特定の描画要素をどう表示するかを指定することができる.さらに,プロット全体の描画様式を決めるオプションも用意されている.

プロット全体の描画様式を決めるグラフィックスオプション

背景色を灰色にして曲線をプロットする.

In[12]:= Plot[Sin[Sin[x]], {x, 0, 10},
Background -> GrayLevel[0.6]]

Out[12]=

白をデフォルトの色に指定し,再表示 する.

In[13]:= Show[%, DefaultColor -> GrayLevel[1]]

Out[13]=



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